概要
2023年11月11日と12日に「デザインフェスタ」で販売された「Honey×Honey xoxo(ハニーハニーキス)」のマフィンを食べた参加者から体調不良の報告が相次いぎました。厚生労働省は該当するマフィンを「健康への危険性の程度:CLASS I」としてリコール情報に登録し、焼き菓子店は自主回収を行いました。店主は謝罪し、返品対応を指示したが、その方法が非難され、SNSアカウントを削除するなどして炎上した事件です。
今回の” デスマフィン “における経緯をざっくりとまとめました。また専門用語も出てきますので、そちらもフォローし解説させていただきます。
そもそもハニーハニーキス(Honey×Honey xoxo)とは?
ハニーハニーキスは2017年に東京都目黒区でオープンした隠れ家的な焼き菓子店です。店の売りは全ての製品が防腐剤や添加物を使用せずに作られていることです。オープン当初からの評価は平均以下の2.9で、一部にはファンがいるものの、一般的な評価は必ずしも高くなかったようです。
しかしオープン当初のマフィンを見る限り、明らかに美味しそうな見た目をしており、今は見た目も少しおかしい気がしますね。
紅茶キウイとかのフレーバーもちょっと攻めすぎな感じしますけど、こういった見た目が違いすぎるのも少し狂気じみているような気がします・・・。
オープン当初と比べるとかなりの変化がみられた
マフィンの状況は上記で説明した通りなのですが、マフィンを置く棚なども、かなり変化していて、端的にいうと雑な配置になっているような状況でした。
ラッピングも上記の画像を見てもらうと、丁寧な梱包からラップで巻くだけ等、パッと見てもお世辞にも食欲をそそるとは言えません。
一応サイト上でオーナーの山崎 視代佳さんから告知がされている
詳細はこちらをご覧ください。
PL保険についても後述するのですが、入ってれば問題無いと思うのですが、頑なにマフィン代金のみの補償は何か理由があるのでしょうか・・・。
デスマフィン事件の概要
デスマフィン事件の概要は、2023年11月に開催されたデザインフェスタで起こりました。東京都目黒区にある焼き菓子店「ハニーハニーキス」が出展し、オーガニックで防腐剤や添加物を使用しない焼き菓子を販売していました。しかし、その中の一部のマフィンが食品衛生の観点から問題があり、食べた人々から体調不良の報告が相次ぎました。
突如現れた衛生問題
この問題の焦点は食品衛生にあり、購入者はマフィンから異臭がする、糸を引くような異常な状態を報告しました。この報告は、SNSを通じて迅速に広まり、厚生労働省によるリコールへと繋がりました。
購入者からの報告
購入者からの報告は非常に具体的で、マフィンに納豆のような匂いがする、腐敗しているなどのクレームが寄せられました。これらの報告が集積することで、イベント後に事件が大きく報道され、後に「デスマフィン」という名前で広く知られるようになりました。
店主の謝罪と対応の不手際
不適切な謝罪文の内容
デスマフィン事件に対する店主の謝罪は、購入者に非があるかのような言い訳がましい内容であり、消費者からの一層の批判を招きました。公式インスタグラムでの謝罪文ではハートを多用し、業務の停止理由として殺害予告を引き合いに出しましたが、これは説得力に欠けると受け止められました。
返品対応の混乱
返品に関しては、店主は消費者にレターパックでの発払いを指示しました。しかし、その後発送方法が何度も変更され、消費者を混乱させる結果となりました。また、返金方法がPayPay指定であるなど、対応の杜撰さがさらなる炎上を引き起こしました。ちなみに商品代金のみだったとのこと(考えるだけでも、通院費用や交通費など挙げられそうですが・・・)
送料が消費者負担、レターパックでのなまものは送れない、返金がpaypayのみってのはヤバすぎると思いますね。一事業者として、配慮が欠けているのは事実です。
PL保険について
製造業者や販売業者は、製品に起因する損害に備えて製品責任保険(Product Liability Insurance、通称PL保険)に加入することが一般的です。PL法(製品責任法)は、消費者が製品の欠陥によって損害を受けた場合、製造業者や販売業者に損害賠償責任を問うことができると規定しています。
リコールが発生した場合、PL保険は製品に関連する損害賠償請求に対する保護を提供することが目的です。これには、法律に基づく賠償責任や、リコールに関連するコスト(リコール実施の通知費用、製品の回収・修理・交換または返金にかかる費用など)が含まれることがあります。ただし、保険の適用範囲は契約内容によって異なり、すべてのリコール費用がカバーされるわけではありません。
保険からリコール費用が支払われるのか?
製品のリコールが「CLASS I」である場合、製品責任保険(PL保険)が適用される可能性が高いです。これは健康への危険性が最も高いレベルのリコールであり、通常、製造者や販売者が直面する法的責任やリコール関連のコストをカバーするためにPL保険が用いられます。ただし、具体的なカバレッジは保険契約の詳細に依存するため、実際に保険が適用されるかどうかは、契約内容と具体的な事例に基づいて保険会社が判断します。
デザフェスはそもそもPL保険加入必須?
デザインフェスタでは、フードエリアへの出展者に対して、生産物賠償責任保険(PL保険)への加入が求められています。これには食中毒や異物混入などで賠償が必要となった場合の補償が含まれています。出展者は、食品衛生責任者の資格取得や、営業許可書などの関連書類とともに、保険への加入証明も提出する必要があります。この要件は、出展者がイベント期間中に安全な食品提供を行い、もし何らかの事故が起きた場合に備えるために重要です。
これが一番の謎なんですよね、保険会社とのやりとりでどうするかを詰めていくはずなんですけど、今回レターパックで回収を促した上に、paypayで返金ってなんかおかしいですよね?
そもそもなぜこのような事が起きてしまったのか?原因について
ほぼワンオペのようなものだったみたいで、キャパオーバーが理由になりそうです。
普段からもレビュー等を見ていると、消費期限を超過しているものがあったとのレビューがあるため、かなりの作業量が伺えます。
とはいえ、その場合は新規でアルバイトを採用するなどのやり口はいくらでもあったはずです。
ましてや人の体内に入るものを提供しているわけですから、キャパオーバーが衛星面に影響するのは考えればすぐ分かる事です。
オープン時は母親がお菓子作りをしていた?
オープン当初は母親がおかしを作っていて、代替わりの影響でこうなったとの意見があるようです。
こちらに関しては、確固たるソースが確認出来なかったので、あくまでも噂レベルにとどめておきます。
厚労省のクラス分類とは?
「CLASS Ⅰ」の意味
「CLASS Ⅰ」は、厚生労働省による食品リコールのクラス分類で、最も緊急かつ重大な健康リスクを伴う製品に対して指定されます。このカテゴリーに分類される食品は、消費により深刻な健康障害や死亡を引き起こす恐れがあるため、即時に市場からの回収が必要とされます。
詳細はこちら(厚生労働省のクラス分類)
他の食品リコール事例との比較
ちょっとこれを重点的に比較したかったんですけど、情報が探しきれないのが現状でした、すいません。アクリフーズ農薬混入事件や、焼肉酒屋えびすのユッケ食中毒なんかも取り扱ってもいいかなと思ったんですけど、ちょっとベクトルが違いますよね・・・。
食品安全に対する公的対応
保健所の対応と立ち入り検査
デスマフィン 事件の発覚後、保健所は迅速に対応し、販売店であるハニーハニーキスに対して立ち入り検査を実施しました。この検査は、食品安全規制の遵守を確認し、さらなる健康被害を防ぐために不可欠です。保健所は、店舗の衛生状態や製造過程を詳細に調べ、必要に応じて衛生管理の改善を指示しました。
公衆衛生上の指導と教育
事件を受けて、公衆衛生当局は食品衛生管理の重要性に関する教育と指導を強化する必要性を認識しました。出展者と食品販売者に対しては、食品安全に関する基準と責任を再確認し、今後同様の問題が発生しないよう指導を行うことが求められました。また、イベント主催者は食品販売に関する出展条件を明確にし、食品衛生責任者の資格やPL保険への加入などを徹底することを公表しました。
さっきのPL保険の話しと少しかぶっちゃいましたね。今までやってたけど、より一層強化するよって感じのことが書かれてました。
デスマフィン による社会的影響と今後の課題
メディアと公衆の反応
デスマフィン 事件は、メディアを通じて広く報道され、消費者の間で大きな関心事となりました。特にSNSを通じての速報性と拡散力は、公衆の意識を急速に高め、食品安全への関心を新たにしました。この事件は食品販売の際の衛生管理の重要性を強調し、消費者からはより高い透明性と安全基準を求める声が高まりました。
食品販売における教訓と改善策
今回の事件から得られた教訓は多岐にわたります。食品販売業者は、製品の安全性を確保するための厳格な衛生管理を徹底する必要があること、そして万が一の事態に備えた適切な危機管理プロトコルを確立する必要があります。また、イベント主催者は出展者選定の基準を見直し、食品安全への取り組みをさらに強化することが求められています。公衆衛生当局は、教育と指導を通じて食品業界全体の衛生基準を向上させる努力を続ける必要があります。
法律が絡むので、法に疎い私なんかは特にこの分野を苦手としてしまいます。しかし、事業をするサイドが認識不足でした、では済まない問題であるので、そこらへんはしっかりと理解する必要がありますね。
まとめ
デスマフィン事件は、食品安全と衛生管理の重要性を社会に再認識させた出来事です。東京の大規模アートイベントで発生したこの問題は、厚生労働省によるリコールクラス分類で最も危険な「CLASS I」に指定され、広範なリコールと公衆の注意喚起に至りました。メディアと消費者の反応は迅速かつ広範囲にわたり、食品販売者やイベント主催者に対する教訓と改善策の必要性を示しました。今後、食品販売に携わるすべての者が安全基準を遵守し、継続的な教育を受けることが不可欠です。
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