始めに
先月あった岩手県産の南部小麦にカビ毒が含まれていた事件がありました。この件について、『JA全農いわて』は自主回収をし、記者会見を開き謝罪しました。
この報道がされた際には、健康被害は確認されていませんでしたが、回収の連絡があったのがもう既に、給食を食べた後だったとのことで、調べた限りですと3人が嘔吐、下痢の症状で病院にいったみたいです。
この件について、そもそもカビ毒ってなに?、連絡が伝達出来なかった理由、そもそも何がいけなかった?、ここらへんがすごく気になったので、調べてまとめました。
岩手県産小麦「ナンブコムギ」のカビ毒検出事件:未解明の謎
カビ毒の検出
JA全農いわてが販売した2022年産の岩手県産小麦「ナンブコムギ」から基準値を超えるカビ毒が検出されました。検出されたカビ毒は「デオキシニバレノール(DON)」で、このカビ毒が含まれていた小麦は主に北上市で生産された約710トンです。
影響範囲
この問題は、岩手県内外の3つの製粉会社に影響を及ぼしました。販売された小麦は、在庫分約307トンが出荷停止となり、既に出荷された約404トンについては自主回収が進められています。
リコールと対応
カビ毒が検出されたことを受けて、製品を使用していた菓子店などで製品の自主回収や廃棄が進められました。特に、盛岡市にある老舗の南部せんべい店「白沢せんべい店」では、18種類の商品のうち17種類にカビ毒を含む小麦が使用されていたため、自主回収を行い、店舗も臨時休業を余儀なくされています。
事件の未解明の謎
このカビ毒がどのようにして小麦に発生したのか、その原因は現時点では特定されていません。JA全農いわては、この問題の原因特定と再発防止策を講じることを表明しています。
南部小麦から検出されたカビ毒 デオキシニバレノール(DON)とは?
発生源: DONは、主にフザリウム属のカビによって生成されます。これらのカビは、小麦や大麦、トウモロコシなどの穀物によく発生します。今回赤カビっていう名称出てきてるんですけど、フザリウム属のカビに汚染されると色合いが赤くなるかららしいですね。
発生条件: DONの生成は、特定の気候や環境条件下で促進されます。湿度が高く、温暖な条件はフザリウムカビの成長に適しており、その結果、DONの生成が増加します。しばしば、収穫前の穀物に発生することがあり、特に雨が多い年や湿度の高い条件下での栽培で発生しやすいです。
健康への影響: DONは人間や動物の健康に影響を与える可能性があり、嘔吐、食欲不振、下痢、免疫系の抑制などの症状を引き起こすことが知られています。特に、高濃度での摂取は健康上のリスクを高めます。
耐熱性: DONは加熱に強く、調理や加工の過程で毒性が減少することはほとんどありません。これは、穀物製品の安全性を確保する際に特に重要なポイントです。
検出と管理: DONの存在は、穀物の品質管理と検査において重要な側面です。農家や食品製造業者は、収穫前後の適切な農業慣行や保管方法によって、DONのリスクを低減することができます。
品質管理の見直し必須:岩手県産「ナンブコムギ」のカビ毒問題
そもそも農協はカビ毒の自主検査を行っているらしくて、今回、販売前の自主検査時にカビ毒は検出されなかったとJAは回答をしているんですよね。しかし、流通後は基準値の3倍~4倍のカビ毒が検出されたとのことです。個人的な疑問点を以下に挙げますね。
参考…カビ毒について
不均一な分布
カビ毒は、小麦の中で不均一に分布している可能性があります。これは、サンプル採取時にトキシンを含む部分が含まれなかったため、初期の検査でカビ毒が見落とされた可能性を示唆しています。
検査方法の限界
使用された検査方法によっては、カビ毒の検出感度が異なり、低濃度のトキシンを検出できない場合があります。また、サンプリング手法や検査時の条件によっても検出結果が変わる可能性があります。
カビ毒の発生タイミング
カビ毒は、収穫後の保管中や輸送中に発生することもあります。したがって、初期検査時にはトキシンが存在しなかったが、後に発生した可能性も考えられます。
報告の遅れ
カビ毒が発生しているにもかかわらず、その情報が関係者間で適切に共有されず、適時に検出されなかった可能性もあります。
個人的には、流通させる少し前にカビが繁殖したとかありそうだなぁと思ってます。そもそも、自主検査のタイミングって出荷直前では無いですよね?かなりの量があるみたいですし、カビの部分のサンプル部位を取れなかった可能性もあるかもしれませんね。
宮城県気仙沼市における給食で提供された「せんべい汁」に関する情報
給食への影響
この小麦を原料とするせんべいが、気仙沼市内の12の小中学校の給食で提供された「せんべい汁」に使用されました。給食を食べた3人の児童や生徒が下痢などの症状を訴え、病院を受診しましたが、いずれも軽症であり、給食との直接的な関連は確認されていません
通知の不備
宮城県学校給食会には、原料の小麦からカビ毒が検出されたと業者から連絡が入りましたが、気仙沼市の給食センターへの通知が行われず、給食が提供されました。
なんで遅かったのか、っていうミスの原因ポイントは調べても出てきませんでした。以下経緯です。
- 宮城県学校給食会は、取引先から原料の小麦でカビ毒が検出されたことを11月28日の夕方に知らされました。給食会は県内の給食センターや学校17カ所にこの情報を伝えましたが、気仙沼中央給食センターへの連絡が漏れてしまいました。同センターへの連絡は、すでに給食が提供された後の12月1日午後2時10分になってから行われたとのことです。
- この結果、気仙沼市中央給食センターは12月1日に、食品衛生法の基準値を超えた赤カビが検出された岩手県産の小麦を使用したせんべいを含む「せんべい汁」を市内の12の小中学校に提供しました。この給食は合計で2282食分が提供され、その結果、3人の小中学生が軽度の症状で医療機関を受診しました。ただし、せんべいの1人あたりの提供量は少なく、健康への影響は低いとされています。
まとめ
正直な話、なぜ気仙沼中央給食センターに連絡が漏れたのか、小麦の保管体制や、流通におけるエラー等々が鮮明になる情報が探せればよかったのですが、ちょっとまだ情報が全然集まってませんね。すいません。
情報が出てき次第、続報を調べこちらの記事へ反映させていければと考えてます。
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