通信制の大学が学歴にならない? ~社会の視点と現実~

目次

始めに

この記事では、通信制大学の学位が、従来の全日制の大学の学位と比較して、どのように社会に認識されているかについて掘り下げます。特に、就職市場におけるその価値、学術界での受け入れ度、そして社会全体の見解に焦点を当てます。

通信制大学の教育の質、柔軟性、そしてアクセス可能性についても詳しく分析し、これらの要素が学歴としての認識にどのように影響しているかを考察します。さらに、通信制教育の将来的な展望と、これが個人のキャリアに及ぼす潜在的な影響についても議論します。

通信制大学の概要

ノートパソコンを見ている二人の女性
  1. 定義と歴史:通信制大学は、働きながら学びたい人や地元を離れずに高等教育を受けたい人のニーズに応えて設立された教育機関です。日本での通信制大学の歴史は1947年にさかのぼり、当初はキャンパスを持つ大学が通信部を設ける形で始まりました。今では、通信教育専門の大学や大学院も存在しています。
  2. 学習スタイル:主に自宅で教科書などのテキストを使って学び、一定回数のスクーリング(大学に通って授業を受ける)があります。一部の大学では、インターネットや衛星放送を利用した双方向の授業も行っています。
  3. 通信制大学のメリット:自分のペースで勉強できることや、学費の安さが挙げられます。また、通信制大学は文部科学省に認可されており、卒業すれば「学士号」の学位が授与されます。
  4. 社会的認識:通信制大学の卒業資格は、社会的に評価されにくい場合がありますが、努力が必要なため卒業は容易ではありません。履歴書に通信課程であることを記載する義務はなく、有名大学の通信制を選ぶことも一つの方法です。
  5. 就職への影響:通信制大学は入学しやすい反面、就職においては具体的なスキルや資格、検定などをアピールすることが重要です。また、国家資格の取得や受験資格が得られる通信制大学を選ぶと良いでしょう。
  6. 教育訓練給付金:通信制大学の学生は、社会人として働きながらスキルアップを目指す人を支援する教育訓練給付金制度を利用できます。雇用保険に加入している方が対象で、受講後に学費の一部が返還される可能性があります。

制度については厚生労働省がだしている資料が分かりやすいと思いました。…参照先

学歴としての認識

履歴書
  1. 学歴としての認識: 通信制大学は、文部科学省に認可された教育機関であり、卒業すると「大卒」の学歴が得られます。多くの企業の人事担当者は、通信制大学の卒業者が大卒という扱いになることを理解しています。ただし、通信制大学に偏差値が存在しないため、一部の人事担当者は通信制大学を低いレベルと捉えることもあるとされています。
  2. 就職市場での評価: 通信制大学の卒業は、自宅での学習やスクーリングの必要性、レポート提出など、継続的な努力が必要とされています。そのため、通信制大学の卒業は簡単ではなく、逆に努力を適切にアピールすれば、通学制大学の学生よりも高評価を受ける可能性があります。また、通信制大学の学生はその数が少ないため、希少性が高いともされています。
  3. 教育の質: 通信制大学では、対面授業、メディアを利用した授業、印刷教材、放送授業など、多様な教育方法が採用されています。大学によっては、オンライン教育の双方向性や本人認証など、教育の質の保証に努めているところもあります。
  4. 履歴書の記載: 履歴書の学歴欄には通信制大学出身であることを記載することが推奨されています。通信制大学を選んだ理由や学んできたことを明確に伝えることが重要です。また、通信制大学では役立つ資格取得も可能で、これが就職活動において有利に働くことがあります。

通信制大学の学費について

費用


通信制大学の学費は、大学やコースによって大きく異なります。一般的には、通信制大学の学費は通学制の大学と比較して安価であることが多いですが、具体的な金額は多様です。例えば、いくつかの大学の学費は以下の通りです:

  • 奈良大学: 年間約780,000円
  • 聖徳大学: 年間約800,000円
  • 神戸親和大学: 年間約815,000円
  • 産業能率大学: 年間約830,000円
  • 玉川大学: 年間約838,200円
  • 日本福祉大学: 年間約840,000円
  • 佛教大学: 年間約847,500円

また、学費の内訳としては、以下のような費用が考慮されることがあります:

  • 入学金: 通常、20,000円から50,000円程度
  • 授業料: 年間100,000円から200,000円程度が平均的
  • その他の費用: 施設利用料金、学校在籍費用、実習費用、補助教材費、試験料、スクーリング参加費用など

スクーリングが必要な場合、別途参加費用が加算されることがあります。また、入学審査時に必要とされる選考料、編入学生向けの編入料、資格取得費用なども存在することがあります。

参考情報源

藤巻

正直料金感については、詳細を調べ切るのは難しいので、あくまで参考にしてください。最新の情報もかなり違ってくると思いますので・・・

私の教育経験と通信制大学への興味

私は専門学校卒業後に直接就職しましたが、振り返ってみると、大学に通った方が良かったと感じています。専門学校の勉強は難しく、短い期間ではありましたが、充実していました。就職後、給与に差があることは承知していましたが、それ自体は私にとって大きな問題ではありませんでした。

しかし、専門学校で得た専門知識にもかかわらず、もっと広範囲にわたる知識を学んでおくべきだったと思うことがあります。学生時代は、専門的な興味のある分野のみを学ぶことに集中しており、その他の分野に目を向ける余裕がありませんでした。今でもそのことを少し後悔しています。

通信制大学に興味を持ったのは、仕事を続けながらでも学ぶことができると知ったからです。通学するのが苦手な私にとって、通信制は理想的な選択肢でした。

特定の資格を取得するための受験資格を得られることや、資格取得が容易になる通信制大学にも興味がありました。しかし、費用の問題や、独学で資格の勉強をしていたため、時間的な余裕もなく、結局大学卒業の肩書を得ることはありませんでした。

実際に、働きながら通信制大学に通っていた同僚もいました。その人に影響されたわけではありませんが、仕事をしながら授業を消化する姿はとても尊敬していました。

通信制大学に関する総括

この記事では、通信制大学の学位が従来の全日制大学の学位と比較してどのように社会に認識されているかに焦点を当て、その価値、学術界での受け入れ度、そして社会全体の見解について深く掘り下げました。

通信制大学は、柔軟性が高く、多様な学習スタイルを提供することで、働きながら学びたい人々にとって魅力的な選択肢です。学費の安さや、文部科学省による認可なども、通信制大学が多くの学生に選ばれる理由の一部です。

しかし、社会的認識の面では、通信制大学の卒業資格が従来型大学のそれと同等に評価されない場合があります。就職市場では、具体的なスキルや資格のアピールが特に重要であるという認識があります。

それにもかかわらず、通信制大学は継続的な努力と自己管理能力を要求されるため、適切にアピールすることで高い評価を得る可能性があります。

総じて、通信制大学は、学生にとって柔軟性が高く、経済的にもアクセスしやすい選択肢であることが明らかになりました。しかし、その学位が社会的にどのように認識されるかは、依然として議論の余地があります。この点を含め、通信制大学に関する理解を深めることは、教育システムの多様性と進化を理解する上で重要です。

藤巻

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次