はじめに
先日トレンドを見ていたところ、精神科医や精神障害等のワードがトレンド入りしているのを見て、少し気になったのがきっかけです。
またグーグル検索で精神科医と調べると『精神科医 クズ』といった検索候補が出てきたりするため、個人的に少し気になったという理由もあります。
おそらく精神科医の良し悪しは、お医者さんの質でかなり左右されてしまうため、当てにならない精神科医の医師さんに対して、こういった検索予測になってしまったのかな?
精神科医の役割と重要性
- 精神科医の職務: 精神科医は、精神疾患や神経症、心身症などの診断と治療を専門的に行う医師であり、医師資格を持つことが必須です。治療には薬物療法や心理社会的治療、精神療法などが含まれます。また、看護師や心理士、精神保健福祉士、薬剤師などの専門スタッフとの協力によるチーム医療が一般的です(出典:e-ヘルスネット(厚生労働省))。
- 社会的な役割: 精神科医の役割は、外来患者の診断や治療だけでなく、必要に応じて他の病棟での診療やコンサルテーションも行います。また、精神科は総合診療医との連携や、チーム医療におけるコーディネーターとしての役割も担っています。さらに、精神疾患の治療は国によって異なるアプローチが取られており、各国での精神科医の要件や訓練方法も異なります(出典:Wikipedia)。
- 精神科病院の治療: 精神科病院では、精神・心理的な悩みや問題を持つ人の診療を行い、必要に応じて身体検査や血液検査、脳波検査、心理検査なども行います。入院治療と通院治療の両方があり、患者の病状や生活環境に合わせた治療が行われています。日本精神科病院協会によると、精神病床への入院患者の退院率は高く、約9割の患者が1年以内に退院し、その約2/3が家族のもとに退院されています(出典:日本精神科病院協会)。
3つのキーポイントについて
基本スキル:コミュニケーションと共感力
- 共感の重要性: 精神科医が患者とのコミュニケーションで重視することの一つが共感です。これは、相手の気持ちに寄り添うことで、相手の話の内容や身振り手振りなどから相手の気持ちを察し、それに応じて反応することを含みます。共感を示すことで、信頼関係を築きやすくなるとされています。
- 共感の種類と効果: 心理学では共感を情動的共感性と認知的共感性の二つに分けます。情動的共感性は、相手の感情を自分の感情として捉えることであり、認知的共感性は相手の感情を理解するプロセスを指します。どちらも重要で、それぞれが共感という感覚を担っています。
- 共感力のメリット: 共感力を身に付けることには多くのメリットがあります。例えば、社内コミュニケーションの改善、取引先や顧客と良好な関係の構築、顧客ニーズに寄り添ったビジネスの展開、チーム内の団結力向上などが挙げられます。
- 信頼関係の構築: 医師と患者の間で効果的なコミュニケーションは信頼関係と治療協力を強化します。医師は患者のニーズや懸念を的確に把握し、適切な情報を提供し、患者が自身の治療に関与する意欲を高めることが重要です。
患者のプライバシーと倫理的な問題
倫理的判断力は精神科医にとって非常に重要な要素です。特に患者のプライバシーと倫理的な問題への対処は、精神科医療における基本原則の一つです。
- 基本的人権の尊重: 精神科医療では、すべての医療行為において患者の基本的人権を尊重することが求められます。これには、共感と尊敬の念を持ちながら適切な医療を提供することが含まれます(出典:公益社団法人日本精神科病院協会)。
- プライバシーの保護: 個人情報保護法の全面施行により、医療機関においても患者のプライバシー尊重と個人情報保護が強調されています。これは、患者の医療情報を適切に取り扱い、その機密性を保持することを意味します(出典:公益社団法人全日本病院協会)。
精神科医は、これらの倫理的原則を遵守し、患者のプライバシーを保護することで、信頼に基づく医療提供を行う必要があります。倫理的な問題への対処方法は、状況に応じて異なるため、継続的な教育と訓練が重要です。患者の社会復帰を支援し、その人らしい自立した質の高い生活を送ることができるような医療の提供が求められています。
患者さん自身のストレス管理について
- ライフスタイルの改善: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動は、精神的な健康を維持する基本です。特に良質の睡眠は、心身の疲労を回復させる上で非常に重要です。
- リラクゼーション技法の導入: リラクゼーション技法(例えば、深呼吸、瞑想、ヨガなど)は、ストレスを軽減するのに役立ちます。これらの技法は心身を落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。
- セルフモニタリング: 日々の生活でのストレスのサインに気づき、それに適切に対応することが大切です。例えば、体調の変化や気分の変動に注意を払い、必要に応じて休息をとるなどの対処が有効です。
- 問題解決能力の向上: 精神的なストレスの多くは、日常生活の問題から生じることがあります。問題解決療法のようなアプローチを用いて、患者さんが日常生活での問題に対処できるよう支援することも効果的です。
- ポジティブな思考: ネガティブな思考をポジティブなものに切り替えることで、ストレスに対する対処能力を高めることができます。例えば、問題点だけでなく、うまくいっていることにも注目することが助けになります。
- 社会的サポートの活用: 家族、友人、専門家とのコミュニケーションを通じて、心の負担を分かち合うことも重要です。他者との対話は、問題解決のヒントを得る機会にもなります。
これらのアプローチは、患者さんがストレスをより効果的に管理し、心身の健康を維持するのに役立つでしょう。医者としては、患者さんの状態に応じてこれらの方法を推奨し、適切なサポートを提供することが重要です。
向いてる人の特徴
精神科医に向いている人の特徴には、以下のようなものがあります。先ほどのキーポイントと繰り返しになってしまいますが、読み飛ばしていただけたらと思います。
- 患者さんとのコミュニケーション能力: 精神科医は、患者さんの話を聞き、精神的な症状や悩みを理解する必要があります。これには、コミュニケーション能力が欠かせません。
- 共感力と理解力: 患者さんの感情や状況に共感し、理解することが大切です。
- ストレス耐性と自己ケア: 患者さんの感情的な話や、時には困難な状況に直面するため、ストレスを効果的に管理し、自己の健康を維持することが重要です。
- 問題解決能力: 患者さんの複雑な症状や問題に対処し、適切な治療方法を見つける能力が求められます。
- 自分を大切にできる人: 患者さんに寄り添いながらも、自分自身の心身を守ることが大切です。感情移入しすぎず、適切な距離を保つことが必要です。
精神科医の仕事内容については、主に以下のような業務が含まれます:
- 回診と外来診療: 病棟での患者さんの回診と、外来での診療が主な業務です。
- 基本的な心身の状態のチェック: 食欲や睡眠の状態、排泄などの基本的なことを確認します。
- 心理療法士やソーシャルワーカーとのチーム医療: 心理療法やソーシャルワーカーとの連携も重要です。
- 多様な治療法: 行動療法や薬物療法が一般的に行われます。
精神科医になるためには、医学部を卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。医師としての初期研修を経て、精神科の後期研修を受け、必要に応じて精神保健指定医や精神科専門医の資格を取得します。
精神科医は、必要に応じて強制的な入院などの措置を行うことがあり、これを行うためには精神保健指定医の資格が必要です。
以上の情報を踏まえると、精神科医になるためには、専門的な知識と共に、患者さんに寄り添う心理的なスキルが求められることがわかります。また、精神科医の職務は多岐にわたり、患者さんの心のケアに重点を置いた独特の働き方が特徴です。
私は専門的な資格を保有しているわけではないので、あくまでもみなさんが困っていることがあれば、アドバイス等ができたらと思ってます。なので、もし専門性な対応が必要な場合は精神科を受診してみてください。
代表的な精神障害
- うつ病(英語 : depression): 日常生活において常に感情が伴い、異常に感情が落ち込んだ状態が「病的抑うつ」とされます。この状態は、うつ病で見られます。うつ病は身体的な不調が目立ち、抑うつ気分などの精神症状が目立たない場合もあります。身体的な症状には食欲の低下、不眠や過眠、易疲労性などがあります。
- 躁病(そうびょう): 気分が著しく高揚し、活動的になり、異常なおしゃべりや注意散漫な状態になることが特徴です。倫理観に欠けた言動や浪費行為も見られ、日常生活に支障をきたすことがあります。
- 不安性障害: 精神疾患の中で不安を主症状とする疾患群で、「パニック障害」や「全般性不安性障害」などが含まれます。これらは、特定の場所や状況において不安が生じる「恐怖症」、漠然とした不安に苛まれる状態が特徴です。
- 依存症: アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症などが含まれます。これらは自己コントロールが失われ、行為を繰り返さないと満足できない状態になり、心身に障害をもたらしたり、社会生活に悪影響を及ぼしたりします。
- てんかん: 脳の一部が過剰に興奮することにより発作が起きる疾患で、けいれんを伴うものや突然意識を失うものなど、様々なタイプがあります。
これらの精神障害は、個人差が大きく、症状の表れ方や治療法も異なります。正確な診断と治療は専門医による診察が必要で、継続的な治療やケアが重要です。
丁度10年前、僕が入社したときだったと思うんですけど、人事の人が嘆いていて、新型うつと呼ばれる人たちが増えてるって言ってたのは、今でも覚えてます。
新型うつ病
新型うつ病は、従来のうつ病とは異なり、症状が合致しないことが多く、病気としての明確な定義はないとされています。新型うつ病の特徴としては、「他罰的」な傾向、気分の浮き沈みが激しい、休日は元気があり業務中は精神的に低調、過食・過眠などが挙げられます。職場など特定の環境でうつ症状を表すことが多く、背景には発達障害やストレス耐性の低さなどが関係していることが指摘されています。
また、新型うつ病は「様々なうつ病」が混在しているとされ、従来の心因性うつ病と内因性うつ病の両方の特徴を持つことが多いです。新型うつ病の中には、双極性障害Ⅱ型など他の病気が隠れている場合もあります。新型うつ病としては、逃避型うつ病、現代型うつ病、未熟型うつ病、ディスチミア親和型うつ病などの概念が提唱されています。
具体的には、ディスチミア親和性うつ病はやる気のなさや疲労感が続く状態、未熟型うつ病は挫折をきっかけに発症しやすく、制御しきれないエネルギーが攻撃的・批判的な言動に出ることが特徴です。現代型うつ病は軽度の内因性うつ病として提唱されており、自己中心的でマイペースな性格の人が発症しやすいとされています。
新型うつ病の対応には、個々の症状に応じた治療やサポート、生活習慣の改善が重要です。この症状は、従来のうつ病と比べて診断や治療が難しい場合があります。
参考…こころの耳
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