はじめに
イギリスの郵便局で起きた冤罪事件に関連して、富士通のシステムが問題になっているようです。
この事件では、700人以上の郵便局長が、富士通の会計システム「ホライゾン」の欠陥により、現金を盗んだとして横領罪などで起訴されました。
しかし、後にこのシステムに欠陥があったことが判明し、富士通の執行役員は英議会に出席し、道義的責任を認め、被害者に賠償する意向を示しています。ただし、富士通は会社として当事者への補償は行っていないとされています。
富士通が糾弾されている?
富士通が開発したシステムの問題により多くの人々が不当に有罪判決を受けたにもかかわらず、富士通がこれまで補償に対して支払いを行っていないことは、公的な資金に頼っていることを意味しており、この点は多くの議論の対象となっているみたいです。
経緯、なぜ富士通へと繋がるのか?
富士通が開発した会計システム「ホライゾン」
イギリスの郵便局が経営する郵便局で発生したこの事件は、富士通が開発した会計システム「ホライゾン」が中心になっています。このシステムは、1999年に導入され、2000年までに1万の支店、2001年には1万3000以上の支店で使用されるようになりました。しかし、このシステムの導入から数週間で、支店長たちは金額の不一致を報告していたみたいです。しかし、郵便局はシステムの問題を認めず、不足分があった場合は、その不足分を補填させるか、支店長を訴えるなどの対応をしていたみたいです・・・。
(ちなみにこの件で、家族への影響だったり、自殺が少なくとも4件は確認されているみたいです。)
横領で起訴
2000年に6件、2001年に41件、2002年には64件の支店長がホライゾンシステムのデータに基づいて横領で起訴されました。このような事例は2015年まで続き、その間に約3500人の支店オーナーオペレーターが郵便局から資金を盗んだと告発されました。
その結果、700人以上が起訴され、刑事罰を受けました。被害者の中には、ホライゾンのシステムに表示される損失を自己資金で補填しようとした人もいました。
(場合によっては数千ポンドの差額になった場合もあるみたいです・・・)
この事件は「近年の英国法制史上で最悪の司法の誤り」といわれているみたいです。
被害者達への言い分が通ったのは2019年
被害者に対する態度は2019年に変化し始めました。この年にいくつかの郵便局運営者が高等裁判所で不当な有罪判決に対する裁判に勝利し、ホライゾンITシステムに責任があると判断されました。高等裁判所は、このシステムに「バグ、エラー、欠陥」があると裁定し、システムの不足によって損失が生じた可能性が「重大なリスク」とされました。その後、2021年にもこの判断は支持され、被害者たちは補償を受ける資格があるとされました。
その後の補助金
2022年には、政府が郵便局に6億8600万ポンドの補助金を提供し、この事件に関連するコストを支援しました。
2023年12月までに、3つの補償スキームを通じて約2700人の被害者に約1億3800万ポンドが支払われました。
しかし、実際には、有罪判決があった142件のケースのうち、わずか93件の有罪判決が覆されただけで、54件は支持されたり、取り下げられたり、上訴許可が拒否されたりしました。
全部が全部認められてないってことですね・・・。
参考…PostOffice
スキャンダルの原因となった部分について
- 技術的欠陥と不適切な開発手法: 富士通が開発した Horizon システムには、欠陥があったみたいで、不適切な開発手法にが見られたとのこと。コードの品質が批判され、設計プロセスが不適切であるとみなされました。Horizon システムのエラーの約 45% は、開発、コード、および低レベル設計に関連する問題に起因していました。システム自体に問題があったのは間違いないみたいですね・・・。
- システムエラーの認識と対処の失敗: 副郵便局長が説明のつかない会計上の不足を報告し、システムの問題が 2009 年にはすでに公的に報告されていたにもかかわらず、郵便局はそのようなエラーの存在を否定し、矛盾の責任は副郵便局長にあると主張したみたいですね。郵便局と富士通は、会計の完全性に関わる AI376 などの重大なエラーが解決される前からシステムの展開を進めました。(ちょっと分かりにくいかもしれませんが、すぐ対処しなきゃいけないエラー出ててクローズする前に、導入始めたってことですね。)
- 技術的信頼性を重視する法的推定: イングランドとウェールズの法的枠組みでは、別の方法で証明されない限りコンピュータは正しく動作すると推定されており、立証責任は被告に課されています。これにより、副郵便局長が Horizon システムによって生成された証拠に異議を唱えることはほぼ不可能になりました。この法的立場は、副郵便局長の冤罪を促進することになったみたいですね。
- 不始末と透明性の欠如: Post Office Horizon IT 調査は、郵便局内の嘘、不始末、人種差別、真実の無視を暴露しました。これには、従業員が不正確な真実の陳述書に署名した例も含まれます。
- 適切なトレーニングと知識の欠如: 法律および司法制度には、電子証拠と複雑な IT システムの機能に関する適切な教育と知識が不足していました。もし仮にシステムを把握していたら、今回の様な自体にはならないかもしれませんね。
結論として、Post Office Horizon スキャンダルは単に IT システムの欠陥の結果ではなく、テクノロジー、法的枠組み、管理慣行、組織文化にわたる一連のシステム上の欠陥によってさらに悪化したということです。これらの要因の組み合わせにより、最近の英国法史上最も重大な誤判の一つが引き起こされました。
調べる限りだと、富士通側もエラーがあったことを把握していたっていう解釈でいいのかな・・・?ちょっと英国のサイトから情報を集めているのと、シンプルに話している内容が難しいんで全然噛み砕けないですね・・・。
富士通は初期からエラーやバグがあったことを認識していた・・・(1/21追記)
この情報はイギリスの郵便局に関する大規模な冤罪事件について、追加情報がありましたので、追記させていただきます。
イギリスの郵便局で700人以上の局長らが不正行為の罪で訴追され、政府による独立の調査委員会が設立されました。
富士通の執行役員は、富士通の会計システムに導入当初から欠陥があったことを認識していたと証言しました。システムには29の欠陥などがあり、これらの問題が郵便局の運営会社に通知されていたことが明らかになりました。
富士通はイギリス政府と協力し、被害者への補償について検討する方針とのことでした。
システムに欠陥があって、さらに数々の被害者が出てたけど、黙認していた、っていう認識でいいんですかね?まぁ不当に裁かれていたのは知らないわけ無いですよね・・・。残念です。
まとめ
とりあえず速報程度でざっくりとしたまとめをさせていただきました。
情報が海外のサイトだったら、かなり収集出来ると思うので、収集して随時アップデートを賭けて行けたらと思っています。
ニュースの内容みてもイマイチしっくりこなかったので、個人的に調べたかったっていうのがありますね。
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