はじめに
2023年12月28日、ユニクロはシーインブランドを展開するRoadget Business Pte. Ltd.、Fashion Choice Pte. Ltd.およびSHEIN JAPAN株式会社を相手に、自社の商品である「ラウンドミニショルダーバッグ」の形態を模倣した商品の販売に関して、不正競争防止法違反を理由として東京地方裁判所に訴訟を起こしました。
ユニクロは模倣商品の販売停止と、その販売により被った損害の賠償を求めています。
この訴訟は、SHEINが販売する模倣商品の形態がユニクロ商品に酷似しているため、ユニクロブランドと同社の商品に対する顧客からの信頼を大きく損ねていると判断されたことに基づいています。
ユニクロはこれを不正競争防止法違反として訴え、模倣商品の販売停止と損害賠償を求めています。
確かにほぼ同じですよね・・・。
そもそもSHEINって?
SHEINは、中国発のファストファッションブランドで、世界中で急速に成長しています。
創業と成長
- 2008年に中国南京市で創業。初期はウェディングドレスのオンライン販売に特化していましたが、その後ビジネスモデルを変更し、ファッション全般へと拡大。
- 2015年には「SheInside」から「SHEIN」へとリブランドし、国際市場へのアプローチを強化。
- 2020年にはCOVID-19パンデミック中に$10億の売上を達成、その後も急速な成長を続けています。
中国発祥ですけど、本社はシンガポールみたいですね。
ビジネスモデルと戦略
- SHEINの強みは、迅速なサプライチェーンとコスト管理にあります。製品の企画から販売までのプロセスが非常に高速で、新しい商品を素早く市場に投入しています。
- AIを利用したデータ分析によって、消費者の好みや流行を素早く把握し、製品に反映させています。
- 多様なデザインと豊富なカラーバリエーションを提供し、異なる地域の消費者ニーズに対応しています。
国際的な拡大
- SHEINは主に海外市場をターゲットにしており、中国国内ではほとんど認知されていない状態です。アメリカやヨーロッパ、アジアなど世界中でサービスを展開。
- 米国では特にZ世代の間で人気があり、ファストファッション市場で大きなシェアを占めています。
- 2022年には売上高$24億を達成し、ZaraやH&Mなどの従来のファストファッションブランドに匹敵する規模に成長しました。
諸問題
- 一方で、SHEINはデザインの盗用や知的財産権の侵害、労働者の人権侵害など、様々な問題があるらしいですね。H&Mとか今回のユニクロとか
SHEINはその独特のビジネスモデルと迅速な市場対応により、短期間で急成長を遂げた企業ですが、その経営手法や労働環境に関する批判も存在しています。
中国国内から見たSheinはどうなの?
国内認知は低い
SHEINは中国で創業された企業ですが、中国国内での認知度は低い一方で、世界的には非常に高い評価を受けています。SHEINのビジネスモデルは非常に効率的で、AIとデータ分析を活用して消費者の需要を把握し、迅速に商品を生産・供給しています。その結果、年間数万点のSKUを達成し、世界中の異なる国、地域、人種、好み、体型の消費者のニーズを満たしています。
革新的なサプライチェーンマネジメントとコストマネジメント
中国国内では、SHEINは革新的なサプライチェーンマネジメントとコストマネジメントを通じて、ファストファッション業界で競合他社を圧倒する環境を作り上げています。商品の企画から流通・販売までを中国国内に構築することで、商品のデザインからプロトタイプ開発、生産に至るまで所要日数を大幅に短縮しています。これにより、高頻度で短サイクルな商品供給が実現され、在庫回転率の向上と各段階のコスト削減に成功しています。
SHEINに対するネガティブなイメージ
しかし、SHEINには低品質な製品や環境問題、人権問題などの批判も存在します。
特に、質が低い製品の販売や、環境問題に対する無視、文化的に不適切な商品の販売などが国際的に問題視されています。
これらの問題は、SHEINに対するネガティブなイメージを招き、批判の声を高めています。特に文化的に不適切な商品の販売に関しては、多くの謝罪を余儀なくされています
中国人からは、今回のユニクロ模倣の件については、恥ずかしい、とかそもそもシンガポールに行ったから中国と言わないでほしいみたいな意見もあるみたいですね。
以前あったセルフレジ特許権侵害訴訟
セルフレジ特許権侵害をめぐって
- ファーストリテイリング(ユニクロの親会社)は、セルフレジシステムの特許を巡ってアスタリスク(NIP)との間で係争していました。アスタリスクは、ユニクロのセルフレジが自社の特許権を侵害しているとして訴訟を起こし、ファーストリテイリングも特許の無効を求める審判を申し立てていました。
- この係争は、両社がそれぞれの訴訟および無効審判を取り下げることで和解に至りました。これにより、アスタリスクは訴訟を、ファーストリテイリングも無効審判をそれぞれ取り下げることになりました。
ちなみにこれをのぞいたらユニクロが提訴したのは、今回初になるのかな?
まとめ
一先ずは概要説明をさせていただきました。
情報については、随時アップデートしていきたいと考えています。なるべくユーザーが疑問に思うポイントなども、洗い出して追加していく予定ですので、よろしくお願いします。
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