小林製薬の紅麴サプリで腎疾患による死亡、人工透析になったケースも

目次

はじめに

散らばっているサプリメント
散らばっているサプリメント

本件は取り上げようか迷っていたのですが、そもそも紅麴とは?といった部分から気になったため、土台の部分からお話出来ればと思います。

概要なのですが、小林製薬の出している『紅麹コレステヘルプ』というサプリメントを摂取した方が、腎臓にダメージが表れて、被害者は現段階でも100人以上で、死亡者も2名確認されています。

中には人工透析が必要になってしまったケースもあるらしく、被害件数は増える見込みと言われいます。

事件概要

小林製薬の紅麴(べにこうじ)サプリメント事件に関して、NHKの報道によると、同社の紅麹成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題が発生しました。

これまでに2人が死亡し、入院が必要になった人が106人に上ると報告されています。

厚生労働省は、食品衛生法に基づき、小林製薬に対して廃棄命令などの措置を取るよう通知しました。

小林製薬は、該当する製品の使用中止を呼びかけ、成分の分析を進めている状況です。全国では、紅麹原料を使用した商品の自主回収が相次いでいます。

なぜ?原因について

  • 小林製薬は、紅麹の成分を含む健康食品を摂取した人から腎臓病等の健康被害の報告を受けました。
  • 厚生労働省は、該当する製品に有害な物質が含まれている疑いがあるとして、食品衛生法に基づく措置を小林製薬に対して命じました。
  • 小林製薬は、問題の製品に含まれていた「想定していなかった成分」について、複数の大学の研究室と共に分析を進めています。

これらの情報から、具体的な原因はまだ特定されていないものの、問題の製品に予期せぬ有害な成分が含まれていた可能性が指摘されています。

さらなる分析と調査によって、具体的な原因や詳細が明らかになることが期待されます。

藤巻

後述するのですが欧州では、紅麴が禁止されていて、その理由が毒性なんですよね。有毒物質であるシトリニンってのが健康被害があるってことで、規制されているみたいなのですが、今回の紅麴サプリについては、シトリニンは検出されていなかったが、未知の成分が含まていたってことですね。じゃあその成分なんなんだよ?ってところです。

特定のロットのみ?

  1. 問題の発覚: 小林製薬は、紅麹成分を含む健康食品を摂取した後に腎臓病などの健康被害が報告されたことを受け、関連製品の調査を開始しました。
  2. 死亡事例の報告: 厚生労働省は、この健康食品を摂取した人からの死亡事例が2件報告されたことを公表しました。
  3. 製造番号の公表: 小林製薬は、想定していない成分が含まれている可能性がある製品の製造番号18種類をホームページで公表し、これらの製品の使用中止を呼びかけました。

これらの情報から、問題は特定のロット、すなわち製造番号に関連していることが示されています。小林製薬が公表した製造番号に該当する製品が対象であることから、特定の製造ロットに問題があると考えられます。

対象ロット

  • ドラッグストアやECサイトでの販売分が計14種類

製造番号:J3017、X3037、X3027、X3017、H3057、H3047、H3037、H3027、H3017、F3037、F3027、E3037、E3027、D3079

通信販売の販売分が計4種類

製造番号:X304、H306、G301、E301

公式サイトからの引用ですが、一応記載しておきます。

藤巻

特定のロットだけとされていますが、詳細が不明なので、ロット依存はしない方が吉と思われます。まぁ私が言うまでも無いことでしょうが。

そもそも紅麴ってなに?

紅麴のとうふよう
紅麴のとうふよう

紅麹は、米などの穀類にMonascus属の糸状菌を繁殖させたもので、食用色素や健康食品として利用されています。

しかし、紅麹菌の中には人体に腎毒性を持つカビ毒、シトリニンを生産するものが存在します。このため、シトリニンの存在は安全性に関する懸念を引き起こしており、欧州委員会では紅麹由来のサプリメント中のシトリニンの基準値を100μg/kg以下に規制しています。

具体的な研究では、日本、台湾、中国で食品用途に主に使用されている紅麹菌3種(M. pilosus(日本)、M. purpureus(中国)、M. ruber(台湾))について全ゲノム解析が行われ、シトリニンの産生能について検証されました。

その結果、M. pilosusはシトリニンを生成せず、シトリニン産生遺伝子も持っていないことが確認されましたが、M. purpureusからはシトリニンが検出され、シトリニン生合成遺伝子群を有していることが分かりました。これは、紅麹菌によってシトリニンの毒性リスクが異なることを示しています。

小林製薬さんも自社サイトでその詳細をまとめている

紅麹の成分と作用、こちらのページで詳しくまとめられていて、紅麴の毒性があることと小林製薬さんのサプリには有毒性のカビ毒(シトリニン)が含まれないことを明示しています。

またHACCPに基づいた衛生管理も行っており、かなり徹底した管理体制だったと思うので、今回の事件については、本当に想定外の何かが発生してしまったと思われます。

HACCP(ハサップ)は原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で食中毒や異物混入の要因となる重要行程を管理し、製品の安全性を担保する衛生管理の手法です。(厚生労働省より)

内閣府、食品安全委員会より、欧州における紅麹の認識(2014年)

紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)

欧州では、紅麹由来のサプリメント摂取後に健康被害が報告されています。これによりEUはシトリニンの基準値を設定し、フランスでは医師の相談を、スイスでは紅麹を成分とする製品の売買を違法とする注意喚起がなされています。

欧州連合(EU)、紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニンの基準値を設定

2014年3月7日、EUは紅麹菌で発酵させた米に由来するサプリメント中のシトリニンの基準値を2,000μg/kgに設定しました。EFSAによるリスク評価後、シトリニンの腎毒性に基づく基準値設定が行われました。

フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紅麹を有効成分とするサプリメントを服用する前に必ず医師に相談するよう注意喚起

ANSESは紅麹を成分とするサプリメントの摂取に関連する副作用報告が25件あり、筋障害や肝障害が多く報告されています。特に感受性の高い集団に健康リスクがあるため、サプリメント使用前の医師との相談を勧告しています。

スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起

スイスでは紅麹を有効成分とする製品は医薬品としても食品としても未認可であり、これらの製品の売買は違法です。紅麹を含むサプリメントのリスクについての議論が続いています。

藤巻

食品安全委員会が2014年にまとめている紅麴に関する欧州の規定関連ですね。興味がある方はリンク先をご覧ください。

『追記』未知の成分はプベルル酸の可能性?

小林製薬のサプリメントに関連する健康被害の問題で、紅麹を使った製品から「プベルル酸」という毒性の高い物質が検出されたことが確認されました。

プベルル酸は青カビが産生する天然化合物で、抗生物質としての特性を持ち、抗マラリアの活性も報告されています。この物質の毒性は非常に高いとされています。

厚生労働省と小林製薬、そして国立医薬品食品衛生研究所の合同会見では、小林製薬が提供した健康被害のあった製品のロットからプベルル酸が含まれていたことを認めたと報告されています。

ただし、プベルル酸が腎臓に対する障害を起こすかどうかは現時点で明らかになっておらず、これまでの症例も確認されていません。

紅麹原料を製造する過程で青カビが発生し、混入する可能性についても検討されています。専門家は、衛生管理に問題があれば、原材料や手に付着した青カビが混入する可能性があると指摘しています。

亡くなった人について

こちらは70代-90代の男女と会見でおっしゃられてました。

高い毒性のあるプベルル酸ですが、おそらく高齢者であるならばなおさら、ダメージが大きかったということでしょうか?

人体への影響について、関連性が明らかになってない今、今後の調査結果を待ちたいですね。

藤巻

厳密に会見の内容をお伝えすると、プベルル酸は意図しない成分候補の一つとのことから、調査は速報段階とも言えます。人体への影響なども、判明していないため、かなり慎重に進める必要がありそうですね。

まとめ

本記事は、どちらかというと紅麹の詳細をお伝えする形になったのかなと思います。

私的には本件は、まだ詳細が出ていないため、なんとも言えないといったところが大部分を占めております。

自分も良くサプリメントを服用するので、少し怖い事件と思いました。(マルチビタミンやDHAEPA、ルテイン等)

小林製薬さんも安全面には徹底していたと思いますので、まずは原因となった恐れのある、未知の成分について、詳細をつきとめていただきたいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次